「HYBEがSMを買収」ニュースの一連の流れと、モンスターになる意味とその先に見えるもの
昨日の時点では、下記の「照会公示要求」報道に対する回答を元にされていた記事が多かったようで、「SM買収に継続的に検討を行っており、確定した事項はありません」ということと、確定または1か月以内にこれらの事に関して再公示しますという内容が殆んどでした。

一夜明けてのトップニュースは、「防弾少年団( BTS )の所属事務所ハイブが大型Kポップ企画会社SMエンターテインメントを電撃買収する」でした。詳細は以下の通り。
ハイブはイ・スマンSM大株主が保有する持分14.8%を4千228億ウォンに買収すると10日公示した。
SMの大株主であるイ・スマンの持分率は18.46%で、ハイブは今回の取引で一気に最大株主に登る。カカオが去る7日9.05%を確保する有償増資を骨子としてSMと手を握ったが、ハイブがイ・スマンと手を握って一気にこれを抜いて出たのだ。
ハイブはSM少額株主が保有する持分公開枚数にも出ると明らかにした。聯合ニュース
だがこれでは収まらず、こんな記事も出てきていた。画像にしてツイートしたのだけど、数時間後に内容が少し変更されてる。👇この写真は変更前

※SMには東方神起、スーパージュニア、SHINee、EXO、NCT、aespaなどが所属しています。
変更後の内容と、その他の記事を纏めると…
2020年の時点では、ハイブに売却する気はなかった。
ハイブはイ・スマン総括プロデューサーがSMエンター持分を市場に初めて出した2020年からSMエンターの経営権買収を試みてきた。だが、この総括は後発走者であり競争会社であるハイブに持分を売却する意思がなく、テーブルにも上がらなかった。
状況が変わったのは、
SMエンター経営陣と理事会がこの総括に反旗を挙げてからだ。総括が独占していたプロデュースをマルチプロデュース体制に変え、現経営陣がカカオまで友軍として確保した。
ハイブは買収に成功すればSMエンターの支配構造改善にも万全を期す方針
紛争を経験しているSMエンターの支配力を確保し、第1世代Kポップ会社にふさわしい安定的な支配構造を確立する一方、グローバル事業のための相乗効果を極大化できるという判断。
総括も、個人が保有しているSMエンター関係会社の持分をハイブまたはSMエンターテインメントに譲渡し、支配構造改善作業に全面的に協力することにしたと伝えられた。
カカオエンターテイメントは
SMエンターの買収を推進してきたカカオが価格を高め、また別の公開買収に出る可能性もある。カカオエンターテイメントは先月、サウジアラビアの国家ファンドとシンガポール投資庁から1兆1540億ウォン規模の投資を誘致し、十分な実弾を備えている。
総括が提起した新株発行禁止仮処分申請に対する裁判所の判決次第では…
来月初め、裁判所が仮処分申請を引用してカカオの投資が無産化されれば、ハイブ勝利で重量が傾く可能性が高い。
※現在SMは、最大株主であるイ・スマン総括と、株主行動主義のファンドを標榜にしたアライアンスパートナー間の経営権紛争を起こしている。(1/20にSM共同代表理事のイ・ソンス(イ・スマンの甥)、およびタク・ヨンジュンが、最大株主であるイ・スマンに何の協議もせずにアライアンスパートナーの提案に合意したことで、経営権紛争が深刻化しているそうです。記事はこちら)
HYBEからは下記のコメントがあったようです。
「HYBEのSM Entertainment買収は、両社のグローバルな力量を結集させ、世界の大衆音楽市場のゲームチェンジャーに跳躍するためのものです」と説明。「特にファンダム・プラットフォーム『Weverse』を運営するHYBEはSM Entertainment株式買収を通じて、全世界のK-POPファンを一つのプラットフォームに結集し、より大きなシナジー効果を生み出すことを期待しています」

と、ここまでがいくつかの記事と流れのまとめです。実際、HYBEが筆頭株主となれば、超大型の“モンスター”エンタメ企業が誕生することになるのではあるけど、上の記事を読みながら、HYBEはというより…パンさんの過去の言葉(ソウル大学卒業式典でのスピーチ)を思い出しました。音楽産業が抱えている悪習、不公正取引慣行、そして社会的低評価などを放っておけない精神が強くて、HYBEを立ち上げた時も、企業買収も、もしかしたら兵役問題も…業界改善のひとつなのでは?と感じています。今回の買収もただモンスター化したいのではなく、これからの時代をよくするために必要だという思いかなぁと想像します。(ソウル大学卒業式典でのスピーチ、ソースは下記参照ください)
ソウル大学卒業式典でのスピーチ
ソースは👇の動画ですが、SBSで文字にしてくれていましたので、関係性を感じる部分だけを抜粋しました。
私を最も不幸にしたのは、音楽産業が直面した状況でした。 この産業は全く常識的ではなく、不公正と不合理が蔓延していたところでした。 音楽を職業にして、この世界を知っていくうちに、ますます私の怒りは大きくなりました。 私が世の中で一番愛する音楽が世の中から不当な扱いを受けて利用されている感じを受けました。
音楽が好きでこの業界に飛び込んだ仲間と後輩たちは、相変わらず現実に挫折し、苦しんでいます。 音楽産業が抱えている悪習、不公正取引慣行、そして社会的低評価。 それによって、業界の従事者はどこに行って音楽産業に従事すると言うのを恥ずかしがります。 多くの若者は依然として、音楽会社の仕事をたくさんさせながら報酬は少なくすると認識しています。
世界的な名声を享受し、全世界の音楽ファンに慰めと感動を与える韓国アーティストは、根拠のない匿名の非難に苦しんで、傷ついています。 私たちの血、汗、涙の結実であるコンテンツも、やはり不当に流通したり、低評価され、不道徳な人々の懐を満たす手段になる場合が未だに多すぎます。
2019/2/26
バン・シヒョクのソウル大学卒業式祝辞「私の原動力は怒り」(フルビデオ)/ SBS

